ひな祭りのねらいと由来は?子どもへの伝え方や活動例も紹介

3月3日は桃の節句、ひなまつりですね。

  • 保育園・幼稚園でのひなまつりのねらいを知りたい
  • 子どもたちに分かりやすく由来を伝えたい
  • ひなまつり当日はどんな活動をするの?

という疑問を解決していきましょう!

うりこ

卒園前で忙しいシーズンですが、しっかりお祝いしましょうね!

目次

ひなまつりのねらい

女の子の成長を願うひなまつりのお祝い。

保育園・幼稚園では男の子もいるので、みんなで楽しめる活動にしたいですよね。

また、ひな人形を製作する園も多いかと思いますが、時期的に1年のしめくくりの製作になります。

そんなこともふまえてこのようなねらいが考えられます。

・厄(悪いもの)を払って、子どもたちの幸せを願うという意味を知り、ひなまつり行事に親しみをもつ。

・ひな人形を飾ったり、見たり、製作したりすることを通して、伝統文化に触れる。

行事は、ただやるだけではなく、ねらいを達成できているか振り返ることが大事です。

そして、活動後には、ねらいが適切かどうかの見直し(評価・反省)も忘れずに。

ねらいは、「評価と反省」とセットになって初めて意味のあるものになります。

参考:幼児理解と評価の基本(文部科学省)

ひなまつりの由来

ひなまつりは、女の子の健やかな成長を祈る行事です。

では、いつから、どのようにして現在のひなまつりの形になったのでしょうか。

いつから始まったの?

諸説ありますが、起源は平安時代と言われています。

紙で作った人形を川へ流す「流し雛(ながしびな)」という風習がありました。当時は、乳幼児の死亡率が高かったため、人形を身代わりとして作り、1年の災いを人形に受け止めさせたあと、春に流していたそうです。

江戸時代になり、さまざまな人形が作られるようになって、人形遊びが大流行しました。

そして、「流し雛」と「人形遊び」が合わさって現在のひなまつりの形になったと言われています。

ひな飾りを知ろう

ひな飾りは平安時代の貴族の結婚式を模しています。そのため、豪華なお召し物と、たくさんの家来たちが並んでいるのです。一つ一つに名称があるので、細かく見て行きましょう。

内裏雛(だいりびな)

ひな飾りの一番上段にいる2人。男雛(おびな)は天皇を表し、女雛(めびな)は皇后を表します。

男雛は束帯(そくたい)を着て、冠、飾り太刀(たち)をつけ、手には笏(しゃく)を持ちます。

女雛は、十二単(じゅうにひとえ)を着て、平額(ひらびたい)・ 釵子(さいし)・ 櫛(くし)をつけ、手には檜扇(ひおうぎ)を持っています。

ちなみに、お内裏(だいり)様、お雛様と呼ばれることも多いですが、本来この呼び方は間違いのようです。

本来、内裏とは天皇の宮殿をさし、お雛様は人形すべてをさします。

うりこ

でも、幼児には分かりやすいので、「おだいりさま」「おひなさま」と伝えている園が多いです。

関東では、向かって左側が男雛で右側が女雛

京都や関西の一部では、向かって右側が男雛で左側が女雛だそうです。

官女(かんじょ)

天皇のサポート役、教育係を務めていました。通常3人1組であることから、三人官女と呼ばれることが多いです。

手に持っている道具がそれぞれ違います。三方(さんぽう)、長柄(ながえ)、提子(ひさげ)を持っています。

中央の官女は三人のリーダーと言われています。

うりこ

そのいで立ちは、まさにエリートキャリアウーマン!

五人囃子(ごにんばやし)

お囃子を奏でる5人の楽団です。

楽器が小さい順に右から並んでいて、それぞれの名前は、謡(うたい)、笛(ふえ)、小鼓(こつづみ)、大鼓(おおつづみ)、そして太鼓(たいこ)です。

随身(ずいじん)

通称、右大臣と左大臣。

右が左大臣で年配者、左が右大臣で若者です。

随身は左手に弓、右手に矢を持ち、矢を入れた胡簶(やなぐい)を背負います。

うりこ

右と左が反対でまぎらわしいね!笑

仕丁(しちょう)

護衛の役目をしている3人。それぞれ、怒り、泣き、笑いの表情をしているので「三人上戸(じょうご)」と言われることもあります。

日傘をさしてお供する係、履物をお預かりする係、雨をよけるまるい笠(かさ)を竿(さお)の先にのせてお供する係、と役割分担があるようです。

その他の飾り

屏風(びょうぶ)

几帳(きちょう)・・・移動可能なついたて。

雪洞(ぼんぼり)

高杯(たかつき)・・・脚台をもつ器。

桜橘(さくらたちばな)・・・随身の左右に並べる花。

箪笥(たんす)・・・婚礼道具の1つで、衣服や服飾用の小道具などを納める収納家具。

長持(ながもち)・・・婚礼道具の1つで、衣服や調度などを納める長方形の大型の箱。

挟箱(はさみばこ)・・・婚礼道具の1つで、衣服や調度などを納める箱。

鏡台(きょうだい)・・・婚礼道具の1つ

針箱(はりばこ)・・・婚礼道具の1つ

火鉢(ひばち)・・・婚礼道具の1つ

衣裳袋(いしょうぶくろ)・・・婚礼道具の1つ

茶の湯道具(台子・だいす)・・・婚礼道具の1つ

御駕篭(おかご)・・・牛にひかせる乗用の屋形車

御所車(ごしょぐるま)・・・牛にひかせる乗用の屋形車

毛氈(もうせん)・・・ひな飾りの下に敷かれる布のこと。

食べ物の由来

菱餅(ひしもち)

緑・赤・白の3色は、健康・魔除け・清浄を表します。

白い雪から緑の芽が出て花が咲くという様子を表現したそうです。

うりこ

これ飾った後に食べるとき、大きくていつも悩むんですが、みなさんはどうやって食べていますか?笑

ひなあられ

ひなあられは、大きく2つに分けられます。

関東では、米をはぜたポン菓子を砂糖でコーティングした甘い味付けのもの、

関西では、小さなおかきを醤油などで塩気のある味付けにしたもの、だそうです。

ポン菓子の場合は、色がついていますね。

3色の場合は、桃色は「魔除け」、白色は「清浄」、緑色は「健康」です。

4色の場合は、四季を表し、桃色が春(花のイメージ)、緑色が夏(新緑)、黄色が秋(紅葉)、白色が冬(雪)です。

子どもたちに由来を伝えよう【年齢別の例文】

由来を伝える際は、ひな人形実物、もしくはイラストや写真を見ながら話すのがオススメです。

視覚的な情報があると、子どもたちにより伝わりやすいですからね!

0~2歳児

ひなまつりは、”女の子が元気になりますように”ってお願いするんだよ。

(人形を指さしながら)女の子のおひなさまと、男の子のおだいりさま、それから2人を守る人たちを飾るんだね。

お人形たちが、みんなが元気になるように守ってくれるんだって。

みんなも、ひな人形をかざって(作って)みようね!

3~4歳児

ひなまつりって知ってる?

女の子が元気に幸せになりますようにってお願いする日で、3月3日にお祝いするよ。

保育園には男の子も女の子もいるけど、みんなで「元気になりますように」ってしようね!

ひなまつりには、ひな人形っていうお人形を飾るんだよ。

ひな人形は、おひなさまとおだいりさまの結婚式で、2人を守る人やお祝いのものがたくさん飾られてるね。

お人形が、みんなにくっついている悪いものをもらってくれるんだって。

みんなも、お人形を作ったり、ひなあられを食べたりしてお祝いしようね。

5歳児

3月3日はひな祭りだね。何をお祝いするお祭りなんだっけ?(返事を待つ、挙手で答えてもらうなど)

そうだね、女の子が元気に健康でいられますようにってお願いするんだよね。

保育園では、女の子も男の子も一緒にお祝いして、みんなが元気でいられるようにお祝いしようね。

ひな人形には、たくさんの種類があるよ。1人ずつ調べてみよう!

上記の由来を話していきましょう。5歳児なら多少難しい道具の名前などもある程度は理解できると思います。

それから、ひなまつりの日に食べるひなあられは、3色あるけど、色にも意味があるんだよ。

ピンクは悪いものを追い出すもの、白はきれいな心、緑は元気・健康だよ。

ひなあられは、4色の四季の意味の方が子どもにとっては分かりやすいので、4色のものを選ぶのがオススメ。ただ、菱餅の3色とごっちゃになりやすいので注意してください。

ひなまつり当日の活動

由来のお話しを聞く

前日までに話す由来のおさらいのような形で、絵本やパネルシアターなどを保育者が演じましょう。

当日に読むおすすめ絵本はこちら。

行事当日は、特別感を出して紙芝居を読むのもいいですね。

製作したひな人形の紹介

製作の紹介にも2種類あります!

  • 全学年のひな人形を紹介
  • 学級の友達のひな人形を紹介(4歳児以上向け)

全学年の素敵なひな人形を見られるの、いいですよね。「●●組さんはすごいなあ」「○○組のはかわいいね」と進級への期待や、小さい子に思いを寄せる機会にもなります。

学級の友達のひな人形を紹介する場合は、自分が作る時にがんばったところを発表し、友達のこだわりポイントを知るといった「学級のつながりを深める」内容がオススメです。

「うれしいひなまつり」を歌う

ひなまつりといったらコレ!な曲ですよね。

この曲は、歌詞からひな人形の姿が想像でき、和な曲調であることから、BGMとしてかけるだけでもぐっと雰囲気がでます。

ひなあられを食べる

ひなまつりの行事食を食べるのもいいですね。

ちらし寿司やはまぐりのお吸い物などもありますが、ひなあられは食べやすくて由来も分かりやすくて、行事ならではの感じがします。ぜひ、由来を知らせながら食べてくださいね。

まとめ

ひなまつりについて、保育園・幼稚園での楽しみ方は理解できたでしょうか。

今回の記事で伝えたかったことは

  • ひなまつりのねらい
  • ひなまつりの由来と年齢別の伝え方
  • ひなまつり当日の活動

以上の3つです!すべてを完璧に把握する必要はありませんが、子どもたちと行事を楽しむために、必要最低限の情報は知っておきましょう。

正しい由来を伝え、子どもたちと楽しんでひなまつりを迎えられますように。

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